NTT西日本は,光ファイバを使った映像伝送サービス「映像通信網サービス」を9月14日に開始する。スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー!)子会社のオプティキャストが,このサービスを採用する予定だ。NTT東日本は2月から,同名でほぼ同じ内容のサービスを提供している。

 オプティキャストは既に東京都内で,光ファイバを使う放送サービス「スカパー!対応 光ファイバーTV OPCAS」を提供中である。IP技術を使わず,映像信号をそのまま光ファイバで伝送する方式だ。これまではNTT東日本の映像通信網サービスや有線ブロードネットワークスの光ファイバを活用してきた。今回は,NTT西日本の映像通信網サービスを採用。大阪市内にオプティキャストのヘッドエンドを設置して,2004年中には大阪市内で開始する。

 スカパー!対応 光ファイバーTV OPCASは,集合住宅に光ファイバを引き込んで,NTT局経由で放送を配信する。スカパー!の多チャンネル放送に加えて,BSデジタル,地上アナログ,地上デジタル放送などを再送信する。集合住宅では,2系統の共聴配線システムがなければスカパー!の全チャンネルを見られないことが課題だった。光ファイバで配信すれば,1系統の配線システムでスカパーの全チャンネルを見られるようになる。

 同サービスを導入した集合住宅は1棟当たり1万8000円かかる。このほか,再送信の放送を見るための映像配信用設備利用料として,集合住宅内の全世帯が月390円を支払う。この利用料は,管理費などから一括徴収する。さらに,スカパー!の番組を見たいユーザーは通常の視聴料のほか,チューナーのレンタル料金で月300円,基本料で月390円が別途必要になる。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション