KDDIは来年春をメドに,固定電話サービスに参入する。東西NTTからメタル回線を借り,自前の電話網を構築してユーザーに提供する。東西NTTよりも基本料を安く設定するほか,通話料も全国一律にするなどNTT電話の代替を狙う。電話番号は東京なら「03」で始まる既存の電話番号を,そのまま継続して利用できる。この方式は日本テレコム/ソフトバンクBBの「おとくライン」と同じである。

 KDDIのサービスのソフトバンク連合との違いは,電話のバックボーンとしてフルIP化したネットワークを使うこと。昨年末に始めたIP電話サービス「光プラス電話」のインフラを利用する。東西NTTの収容局でメタル回線を終端し,アナログとディジタルの信号を変換。光ファイバで構築したIP網に接続する。「発信者番号表示」,「割り込み通話」といったオプション・サービスは光プラス電話とほぼ同じ品ぞろえとなる見通し。

 KDDIの新固定電話サービスの基本料金はソフトバンク・グループと同様の1500円前後になりそう。通話料金は,市内とそれ以外の全国に分ける。具体的には,市内通話は既存の加入電話と同等の3分8.5円前後とし,市外通話は全国一律の料金とする。市外通話の料金はソフトバンク・グループとの駆け引きで変わってきそうだ。

 なお,光プラス電話は,集合住宅に光ファイバを引き込むインターネット接続サービス「光プラス」のオプション。光プラス電話単体でも契約できる。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション