NTT東西地域会社は8月26日,両社のIP電話サービスのユーザーがダイヤルした電話番号と別の相手先に着信する可能性があることを明らかにした。対象となるのは東西NTTが提供しているすべてのIP電話端末。NTT東日本が70万台,NTT西日本が27万台と合計約100万台に上る。8月末以降,各端末の修正版ファームウエアを配布する。

 アップデートが必要となるのは,東西NTTのADSLサービス「フレッツ・ADSL」もしくはFTTHサービス「Bフレッツ」で050番号のIP電話サービスを利用しているユーザー。東西NTT自体ではなく,提携するインターネット接続事業者が提供しているIP電話サービスが対象となる。

 現象は,IPアドレスと電話番号の対応付けの誤認から発生する。以下の4種類の条件が重なったときに発生する。

 具体的には,(1)ダイヤル先ユーザーのIP電話機の電源が不正に落ちたりケーブルなどが切断,(2)その結果,通信事業者の呼制御装置(SIPサーバー)にダイヤル先ユーザーがログアウトしたことが伝わらない,(3)さらにダイヤル先のユーザーが直前まで利用していたIPアドレスを,他の第3者のユーザーが取得してしまう,(4)ダイヤル先のユーザーが再度電源を入れなおしたりして接続をしない――である。

 この結果,あるユーザーの050番号が他のユーザーに割り当てられる。今回の問題についてユーザーからの報告は,「8月26日現在,受けていない」(NTT東)という。NTT東によると「今回の問題はNTT側で発見し公表した」。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション