NTTコミュニケーションズ(NTTコム)が,ブロードバンドを使える地域と使えない地域の間で生じる格差(デジタル・デバイド)を解消するための,新しいソリューションを準備中であることが分かった。(1)ラスト・ワンマイルに無線LANを使うブロードバンド接続サービス提供用のインフラ構築,(2)NTTコムのネットワークをインターネット接続用に提供,(3)構築した設備の保守--などをセットにする。IP電話やサーバー・ホスティングといったサービスの提供も考えている。

 ラスト・ワンマイルに無線LANを使う理由を,NTTコムでは「早く,安くインフラを構築できる」(ユビキタスサービス部の馬場覚志担当部長,写真)としている。具体的な地名は明かせないものの,すべて光ケーブルを使ってサービス提供インフラを構築した場合と無線LANを併用した場合とで,ひとけた違う試算結果が出た例があるという。

 利用する無線LANシステムとして,2つの製品を検討しており,評価中である。1つは,電波の飛距離が1km超とかなり長い米ビバートの製品。もう1つは,米トロポス・ネットワークスの製品。アクセス・ポイント機能と中継機能を兼ね備える機器をメッシュ状に設置してエリアを広げていける。

 「ブロードバンド接続サービスの提供を考える地域ISPと提携したり,自治体からアウトソースしてもらうなどして請け負いたい」(馬場部長)。地域の公共ネットワークが既にあるかどうかなど,ネットワーク構築条件は土地により完全にまちまちであるため,同ソリューションは個別案件で提供する。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション


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