NTT東日本は8月3日,フレッツ・ADSLの上り(ユーザー宅からNTTの収容局)高速化メニューの提供開始日を発表した。これで東西NTT,アッカ・ネットワークス,イー・アクセス,ソフトバンクBBの4社の上り最大速度を高速化するADSLメニューの全貌が明らかになった。

 NTT東日本の「フレッツ・ADSL モアIII」が8月6日から,NTT西日本の「フレッツ・ADSL モアスペシャル」が8月5日からとなる。東西NTTの新サービスはいずれも従来のサービスに比べて,下り(NTTの収容局からユーザー宅)方向の最大伝送速度を40Mビット/秒から47Mビット/秒に高める。当初はADSLモデムの交換により上り3Mビット/秒に高速化。8月下旬以降,ADSLモデムのファームウエアのアップグレードで上り5Mビット/秒に対応する。

 東西NTTと同じ米センティリアム・コミュニケーションズのADSLチップを使っていると見られるイー・アクセスは,上り3Mビット/秒の高速化を経ずに,モデムの交換で一気に下り47Mビット/秒,上り5Mビット/秒で提供する。8月10日にサービスを開始するDION(KDDI)を皮切りに,複数のプロバイダで提供する予定である。

 一方,米コネクサント・システムズ(旧グローブスパン・ビラータ)のADSLチップを搭載していると見られるアッカ・ネットワークスとソフトバンクBBは,ADSLモデムのファームウエアをバージョンアップして対応する。アッカは7月30日からで下り47Mビット/秒,上り3Mビット/秒へ,ソフトバンクBBは9月1日から下り50Mビット/秒,上り3Mビット/秒となる。

 早くもアッカ・ネットワークスとソフトバンクBBは,年内にも上りを10Mビット/秒に高速化した新メニューを投入すると表明済み。ADSLサービスの“速度競争”はまだ続く模様だ。

(山根 小雪=日経コミュニケーション