総務省は7月27日,2005年度以降の固定電話の接続料の算定方法についての答申案を公開した。電気通信事業部会(写真)で報告するとともに同省のWebサイトで内容を公開。意見募集を開始した。

 答申案には,固定電話のトラフィック減少による接続料の上昇を抑える施策を盛り込んだ。具体的には,(1)4月に公表済みの,現在より低く接続料を算出できる新しい算定モデルを使う,(2)接続料収入でまかなっている“NTSコスト”(通信量に無関係なコスト)を4~5年かけて基本料に吸収する,(3)直近の通信量を用いて接続料を算出する,(4)通信量が大幅に減った場合に行う接続料の追加精算を中止――などである。

 また,基本料と施設設置負担金の見直しにも言及した。基本料にNTSコストを吸収する余地を作る必要があるため,基本料収入でまかなっているNTTの営業費や試験研究費などを見直す。施設設置負担金は廃止の可能性も含め議論されてきたが,答申案では「本来の意義を失い新規加入の妨げとなり得る」としたものの,「東西NTTが廃止を含め見直したいとするならば考慮するべき」とするにとどまった。

 意見の募集期間は8月27日の17時まで。総務省は寄せられた意見を再び議論したのち,10月に総務大臣に答申する予定である。また,同日の電気通信事業部会では,21日に認可された東西NTTの集合住宅向けIP電話サービスと,2003年度の電気通信事業分野における競争状況の評価(対象はブロードバンド)についても報告された。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション