写真 KDDIの新端末 左からW21K,W21SA,W21S

 「いよいよブロードバンド・ケータイの“本命”が登場する」(中野伸彦専務)――。KDDIは7月12日,完全定額のパケット通信に対応した第3世代携帯電話サービス「CDMA 1X WIN」(1X WIN)向けの新端末を,7月下旬から順次発売すると発表した。

 今回発売するのは,三洋電機製の「W21SA」,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「W21S」,京セラ製の「W21K」の3機種(写真)。新機能として,米クアルコムが開発した携帯電話向けアプリケーション・プラットフォーム「BREW」(binary runtime environment for wireless)に対応する。ダウンロードできるプログラムの最大容量は600Kバイトで,端末発売に合わせて「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」などの人気ゲーム・コンテンツを用意する。BREWアプリケーションとして提供していた歩行者向けナビゲーション・サービス「EZナビウォーク」も利用できるようになる。

 また,米マクロメディアのアニメーション開発・再生環境「Flash」も実装。専用のオーサリング・ツールで作成したアニメーションを閲覧できる。KDDIが公開しているブラウザフォン・サービス「EZweb」のトップ・メニューをFlashベースに変更し,操作性を高める。

 KDDIが1X WIN端末の販売を開始したのは2003年11月。同端末では平均600k~800kビット/秒の高速データ通信機能を持ち定額制サービスを利用できたものの,BREWアプリケーションやEZナビウォークなどKDDIならではのコンテンツを利用できず,従来のCDMA2000 1X方式携帯電話よりも機能面で劣っていた。KDDIは今回の新端末でCDMA2000 1X端末の搭載機能を網羅。今後は「1X WINを主力として,2005年3月末までに300万台普及させる」(牧俊夫・au商品企画本部長)方針である。