ボーダフォンは7月8日,携帯電話を企業の内線電話機としても使えるようにするサービス「ボーダフォン モバイル オフィス」を公開した。既に7月1日から企業ユーザー向けに提供している。同サービスは専用の料金プランを契約することで,あらかじめグループ登録しておいた携帯電話機同士の通話がかけ放題になる。ボーダフォンが提供している市販の第3世代携帯電話(3G)で利用できる。20回線以上の契約が必要で,上限は定めていない。

 料金プランは(1)終日無料になる「オールタイム」(月額基本料9240円),(2)8~19時は無料だが,それ以外の時間帯は1分10円の通話料がかかる「デイタイム」(月額基本料8190円)--の2種類。グループ外の携帯電話や一般の固定電話への通話は通常の料金プランと同様,1分20~25円の時間課金となる。

 内線グループには固定電話も追加できる。グループ内の携帯電話から固定電話への発信時は時間帯やプランにより1分10~20円と,グループ外への通話料よりも安くした。

 付加機能としては,短縮ダイヤルや登録番号のオンライン検索などを用意した。ただし保留転送や代表番号への着信など,一般にオフィスのPBXが実現する内線電話機能については当初は対応せず,順次拡張する。

 市販の携帯電話を内線電話機として使えるサービスとしては,KDDIが「OFFICE WISE」を11月末に開始する。こちらは,任意の料金プランに加えて月額945円の付加利用料を支払うだけで済む。ただし,専用の基地局や交換機をユーザー拠点内に設置する必要があることから,1000回線以上契約する大規模ユーザーが対象となる。また1000回線で1000~5000万円規模の初期工事費もかかる。

 これに対してボーダフォンのサービスは,初期工事費が不要で最低20回線と少ない。中小企業でも手軽に導入できるというメリットがある。