ソフトバンクBBは7月7日,ADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「Yahoo! BB 45M」を高速化し,サービス名を「Yahoo! BB 50M」に変更すると発表した。下り(NTT局からユーザー方向)の最大速度を45Mビット/秒から50Mビット/秒に,上りの最大速度を1Mビット/秒から3Mビット/秒に引き上げる。8月上旬にも,首都圏から順次高速化する。

 今回の高速化を実現できたのは,ADSLの干渉問題を議論する情報通信技術委員会(TTC)が7月2日,高速化の新方式が認めたため。電話線を貸し出すNTT東西地域会社の接続約款変更が完了次第,高速化させる。その際には,ネットワークからADSLモデムのソフトウエアを自動的にバージョンアップして対応する。

 下り速度の高速化は,アマチュア無線との干渉を防ぐためにADSL側に付けたフィルタの改良などで実現する。上りの高速化は,変調に利用する周波数帯を約2倍に拡張して可能になった。具体的には,これまで26k~138kHzだった上りの周波数帯が,新方式では26k~276kHzとなる。

 ソフトバンクBBは,NTT局からユーザー宅までの電話線の距離が約2km以内なら上り,下り共に高速化できると説明。ただし,「具体的にどの程度速くなるか,最大速度の50Mビット/秒が出るユーザーが何%いるかなどの数字は公表していない」(ソフトバンクBB)。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション