ソフトバンクBBは6月24日,第3世代移動通信システム「IMT-2000」の通信方式「TD- CDMA」(time division-code division multiple access)を使った実験用基地局の本 免許を6月22日に取得したと発表した。モバイル・サービス実現のための実証実験を開 始する。

 ソフトバンクは,2003年12月にTD-CDMAの予備免許を取得していた。予備免許を取得 すると,実験用の基地局などを設置するための工事ができるが,屋外での実証実験はで きない。今回ソフトバンクBBは本免許を取得することで,試験電波を流せるようになる 。

 TD-CDMA方式の実験には,米IPワイヤレスの端末や基地局を使用する。実験は,デー タ通信のほかVoIP(voice over IP)による音声通話,ハンド・オーバーなども検証す る。実験期間は半年から1年を想定している。

 ソフトバンクBBはこのほか,CDMA2000の予備免許も取得済み。同社では,7月にもCDM A2000方式の免許を取得し,実験を開始する計画である。

 総務省は現在,2010MHz~2025MHz帯を利用する第3世代移動通信(3G)サービスの技 術評価を審議する「IMT-2000技術調査方策作業班」の会合を続けている。これまで5回 の会合が開かれたが,ソフトバンクBBは「TD-CDMA」方式を提案している。

(蛯谷 敏=日経コミュニケーション)