ルフトハンザ ドイツ航空は6月22日,成田~ミュンヘン線の旅客機内で無線LANによる高速インターネット・サービスの提供を開始した。アジア・太平洋地区では初めてだという。米コネクション・バイ・ボーイングが静止衛星を使って提供するISP(インターネット接続事業者)サービス「Connexion by Boeing」を採用。航空機へ(下り方向)は5Mビット/秒,航空機から(上り方向)は1Mビット/秒で通信できる。

 サービスの利用には,無線LANを搭載したノート・パソコンやPDAが必要。機内ではConnexion by Boeingによるインターネット接続のほか,ポータル・サイト「FlyNetポータル」でニュース/旅行情報/ルフトハンザのサービス/機内販売ショッピングの情報を,英語とドイツ語で提供する。

 FlyNetポータルは無料で利用できる。インターネット接続は有料で,定額料金と従量料金の2つの料金体系がある。定額料金メニュー「InternetFlight」は,フライト当たり29.95ドル。従量料金メニュー「InternetMinutes」は最初の30分が9.95ドル,その後は1分0.25ドル。現在のところ,支払い方法はクレジット・カードのみ。

 ルフトハンザは,2004年夏に大阪~フランクフルト線でもサービスを開始予定。さらに秋以降,東京~フランクフルト線と名古屋~フランクフルト線を含むすべてのルフトハンザ長距離線にサービスを拡大していく予定である。

 同社は6月22日,サービス開始にあたっての記者会見を開催した。成田からミュンヘンに向けロシア上空を飛行中の機内から,ビデオチャット・ソフトを使った中継を披露したほか(写真),ルフトハンザとボーイングの両社がサービス内容などを説明した。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション)