ソフトバンクBBは6月18日,同社のIP電話サービス「BBフォン」の発信記録が最大8万9633人分漏えいしている可能性があることを明らかにした。漏えいの可能性があるのは,通信費が無料の「お試しキャンペーン」でBBフォンを2003年5月までに利用したユーザーの一部。

 BBフォンの通話記録を管理する「通信課金システム」は,容疑者がアクセスできた「顧客情報システム」とは別のデータベースで管理していた。しかしお試しキャンペーンのユーザーについては,課金情報と顧客情報を照合する必要があり,一時的に顧客情報システム上に発信記録が保存されていた。

 今回,警視庁から照会を求められた証拠物件は,顧客情報システムから持ち出した場合のデータ。そのためソフトバンクBBは,顧客情報システム経由での流出と推測している。容疑者が顧客情報を持ち出したと考えられている2003年5月時点では,8万9633人分が該当する。

 ただし現時点でソフトバンクBBが漏えいを確認した分は23人分65件だけ。「押収物が23人分65件だけであったと警察から連絡を受けている」(ソフトバンクBB)。二次流出については,容疑者が既にデータを破棄しているため可能性は低いという。

(白井 良=日経コミュニケーション)