NTTドコモは6月16日,ソニーの非接触ICチップ技術「FeliCa」に対応したiモード携帯電話機を7月上旬から発売すると発表した。同時にこの端末で電子マネーや電子チケットなど様々な機能を実現するサービス「iモード FeliCa サービス」を開始する。

 当初発売する端末は,第3世代携帯電話サービス「FOMA」の対応端末「F900iC」(富士通製),PDC方式携帯電話の「SH506iC」(シャープ製),「SO506iC」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製),「P506iC」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)の4機種。

 iモード FeliCa サービスは,定期券などの機能を備えた東日本旅客鉄道(JR東日本)の「Suica」や,コンビニエンス・ストアなど全国9000店舗で使える電子マネー・カード「Edy」などの機能を携帯電話機1台に実装できるサービス。電子マネーや電子チケット
サービスの提供会社が,各社専用のJavaアプリケーションをiモード向けに公開する。

 ユーザーは使いたいサービスのJavaアプリをあらかじめFeliCa対応端末に導入しておく。例えば駅の自動改札機や売店にある読み取り装置にかざすことで,運賃の支払いや商品の購入が可能になる(写真)。iモード網経由で電子マネーの資金をチャージしたり,携帯電話機の画面で残高を確認できる点が非接触ICカード単体との違いである。

 当初はエーエム・ピーエム・ジャパンや全日本空輸など11社がiモード FeliCa サービスに対応する予定。現時点では計39社が対応を表明している。前述のJR東日本は「モバイルSuica」の名称で,2005年秋をめどに参入する計画を明らかにしている。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)