NECシステム建設は6月10日,モバイルIPを使ったリモート・アクセスVPN(仮想閉域網)サービスを開始した。モバイルPCやPDAを持ち歩く営業マンやSEを抱える企業が主なターゲット。今年度で約4億円,来年度で約10億円の売り上げを見込んでいる。

 モバイルIPは,接続するアクセス・ポイントの変更によってIPアドレスが変わっても通信を継続できるリモート・アクセス方式。どのネットワークにつながっていても端末の設定を変えずに利用できる。リモート・アクセスはSSL-VPNでも可能だが,モバイルIPには,(1)移動中でも使える,(2)アクセス制御が容易,(3)ソフトフォンの利用など外出先へのプッシュ型アプリケーションが利用できるなどの優位点がある。

 今回始めたVPNサービスは,企業にリモート・アクセス環境を構築するソリューション。このほか,NECシステム建設が運営するASP(application service provider)として提供するソリューションもある。後者のサービスは2004年第4四半期に開始する。オプションで認証サービスやウイルスなどの検疫サービスも用意する。価格は未定。

(小野 亮=日経コミュニケーション)