電力系通信事業者によるIP電話網の全国相互接続がほぼ完成した。

 関西地区がサービス・エリアのケイ・オプティコムが6月9日,関東地区のパワードコムなど電力系通信事業者5社とIP電話網を相互接続すると発表したからだ。これによって,各社間のIP電話ユーザーの通話が無料となる。

 相互接続済みの5社は,パワードコム,東北地区の東北インテリジェント通信,中部地区の中部テレコミュニケーション,四国地区のSTNet,九州地区の九州通信ネットワーク。これらの事業者間では既にIP電話の通話が無料となっている。

 この“5社連合”にケイ・オプティコムが加わり“6社連合”を形成した。各社間の通話が無料となる。実施は6月10日から。なお,ケイ・オプティコムと東北インテリジェント通信の間の相互接続については「近日中に接続する」(ケイ・オプティコム)とやや遅れる見込み。

 このほかの電力系の通信事業者では中国地区のエネルギア・コミュニケーションズがIP電話サービスを提供しているが,今回の電力系の相互接続には参加していない。ただ,エネルギアは,パワードコムの傘下に入るフュージョン・コミュニケーションズのIP電話網を利用中。今後,フュージョンの行方しだいで,エネルギアも電力系の相互接続に参加する可能性がある。

 なお,北海道,北陸,沖縄各地区の電力系通信事業者はIP電話サービスを提供していない。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)