JCBとカシオ計算機は6月9日,非接触ICチップを内蔵して決済機能などを実装した腕時計「Officaウォッチ」を発表した。JCBの青山,三鷹(いずれも東京),大阪,福岡のオフィス・ビル4カ所で,10日から7月末までこの時計を利用したシステムの実証実験を行う(写真)。レジャー施設や企業の事業内などの利用を想定しており,2005年度の商用化を目指す。

 今回開発した端末には,ソニーの非接触ICチップ向けOS「FeliCa」を搭載している。その上で,個々のユーザー企業のニーズに合わせて決済や入退出管理などのアプリケーションを実装する。

 JCB社内の実験では,非接触ICチップのリーダー・ライターを社員食堂や自動販売機へ設置。ユーザーは腕時計をリーダー・ライターにかざすことで商品を購入できる。決済はユーザーがあらかじめ登録しておいたJCBのクレジット・カードで行う。

 企業向けの非接触ICチップ技術としてはFeliCa以外にも,国際標準規格「ISO14443 Type A」「同Type B」など複数の方式がある。JCBとカシオ計算機は,ユーザー企業のニーズがあればFeliCa以外の方式にも対応するとしている。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)