パワードコムは6月1日,東京電力が提供する無線アクセス・サービス「TEPCOひかり・無線アクセスプラン」のユーザー向けに,IP電話サービス「POINT Phone」を提供すると発表した。光ファイバが引き込めない集合住宅に住むユーザーも,「050」から始まるIP電話を利用できるようになる。

 TEPCOひかり・無線アクセスプランは,マンションなど集合住宅向けの高速インターネット接続サービス。集合住宅内に光ファイバを引き込めない場合に提供している。東京電力は,マンションの最寄の電柱にIEEE 802.11a準拠の無線LANの基地局を設置。ユーザーは,この基地局と通信できる装置「無線ユニット」を基地局が見通せるベランダや窓際などに設置してインターネットの接続環境を整える。

 無線アクセスプランでは,基地局とユーザー宅の間は無線LANで通信する。このためパワードコムは,音声品質の劣化を懸念されるとして無線アクセスプランのユーザーにはIP電話サービスを提供してこなかった。今回,実際の居住環境に近いフィールド実験を実施して,音声品質を確保するのに十分な環境を得られることを確認できたとして,同サービスの提供に踏み切った。

 ユーザーは,既存の電話機をつなぐための装置「IP電話アダプタ」を別途用意する必要がある。アダプタは,パワードコムがレンタルで提供する。IP Phoneの月額基本料は105円(税込み),VoIPアダプタの月額レンタル料は504円(同)かかる。通話料は,POINT PhoneユーザーおよびKDDI,日本テレコムなど提携先プロバイダのユーザー間で無料でかけられる。国内固定電話向け通話料は,8時~23時の時間帯で全国一律3分7.875円(23時~翌8時の時間帯なら3分45秒まで通話可能)である。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション)