NTTコミュニケーションズ(NTTコム)が東京・大手町に設置する電源設備に障害が発生し,一部ユーザーで同社のネットワーク・サービスを利用できない状況が続いている。この障害はNTTドコモのPHS向け定額データ通信サービス「@FreeD」にも影響を与えており,同サービスに加入する約33万5000ユーザーがインターネットに接続できない状況も続いている。31日19時時点で復旧のめどは立っていない。

 障害発生時刻は,31日の15時20分。NTTコムの大手町ビル内にある電源設備の一部が故障した。通常であればメインの電源が故障すればバックアップ用の電源に切り替わる。しかし,今回はバックアップ側の電源設備にも故障が発生し,動作しなかった。

 故障が発生した電源設備を利用する企業向け通信サービスに影響が出ている。具体的には,「Arcster ダイレクト」,「Arcster IP-VPN」,「e-VLAN」,「.Phone IP Centrex」,プロバイダ向けIP電話サービス,国際専用線の一部がサービス停止した。さらに,インターネット接続サービス「OCN」,IP電話サービス「OCN .Phone」,公衆無線LANサービス「HOTSOPT」の一部も利用できない。

 ただし,該当するサービスを利用するすべてのユーザーに影響が出ているわけではなく,大手町ビルを経由する通信だけが利用できない状況になっている。関東圏以外のユーザーでも,大手町ビルを経由する拠点間には通信できない状態となる。また,NTTドコモの@Freedユーザーは,すべてサービスを利用できない。

 NTTコムは,ユーザー企業や運用監視モニタの確認などを通じて,影響規模の確認を急いでいる。なお,今回の障害では,回線交換網を利用する電話サービスや専用線サービスには影響が出ていない。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション)