ソフトバンクは日本テレコムの買収を正式発表を受け,日経コミュニケーションでは,SOLTERIA,Wide-Etherといった日本テレコムの法人向けサービスのユーザーを対象に,今回の買収をどう評価するか,またこれを機に通信事業者を変更する予定があるか取材した。

 ほとんどのユーザーは,とりあえず現状維持のままで様子を見るとしている。「サービス品質が変わらないようなら問題なし」(建設業A社)。「今の営業はよくやってくれているので,担当が変わらないなら利用も継続したい」(広告業B社)。「利用上の不都合がない限り,キャリアを変更する考えはない」(金融業C社)。もっとも「すぐにでもやめたいが,稼働中のシステムなので,当面は静観する」(エネルギー業D社)と,不本意ながら利用を継続するユーザーもあった。

 今回の買収を懸念する声としては「わずかの期間で株主が変わるなど,会社自体に不安を感じる」(D社)「経費や人員が削減され,細かなサービス対応が削り取られるようでは困る」(B社)などが聞かれた。逆に,「将来,IP電話を利用して顧客からの問い合わせ窓口を作る際,ユーザー数の多いBBフォンと相互乗り入れできると期待する」(流通業E社)と今回の買収を歓迎する声もあった。

 無料キャンペーンなどで一般消費者向け市場を“かく乱”させたソフトバンク商法が,法人向け市場に進出することに関しては「同じやり方を法人向け市場でやられると,サービス品質の劣化につながるのでは」(D社)との声がある一方で「ソフトバンクの戦略的な攻め方に期待している。ぜひ携帯電話事業へも進出し,価格破壊を起こしてほしい」(C社)と賛否両論があった。

(日経コミュニケーション)