米ペリビット・ネットワークスは5月24日,日本法人「ペリビットネットワークスジャパン」を設立した。これまでの顧客は外資系や多国籍企業が中心だったが,日本企業への販売を強化する狙いがある。今回設立した日本法人はマーケティングやサポート,コンサルティング業務などを担当し,営業活動は販売代理店を通じて行う。現在の販売代理店は,住商エレクトロニクス,インターネット総合研究所の2社だが,今後増やしていく予定だ。「売上目標は2004年に5億円,2005年には20億円を目指す」(米ペリビットのグラハム社長兼CEO)。

 米ペリビットは(1)データの圧縮,(2)QoS(quality of service)制御,(3)伝送遅延の低減,(4)パケット流量のグラフ化・分析――といった機能を持つアプライアンス装置を製造・販売している。処理速度やインタフェースの種類などの違いで「SR-20」,「SR-50」,「SR-55」,「SR-80」の4種類の製品を提供している(写真)。利用には,ルーターのLAN側のポートにSRシリーズを接続すればよい。設置した拠点間の通信データは圧縮される。

 同社製品の特徴として,「MSR」(molecular sequence reduction)と呼ぶ独自の可逆圧縮技術を利用していることがある。これはDNA(デオキシリボ核酸)の分析に利用されるパターン認識アルゴリズムを応用したもの。「平均で75%,最大だと90%以上のデータ量の削減になる」(米ペリビットのアミット・シン創立者兼最高技術責任者)。また「PFA」(packet flow acceleration)という独自技術で,TCP/IPプロトコルにおける受信確認の待ち時間を短縮して,パケットの伝送遅延を低減できる。

(白井 良=日経コミュニケーション)