アイコムは5月19日,企業向け無線LANアクセス・ポイント「AP-5100A」(写真上)と「AP-50」(写真下)の2製品を発表した。一般消費者向けよりセキュリティを強化した。システム・インテグレーター経由で6月1日から発売を開始する。

 AP-5100Aは,無線LANの代表的な標準規格であるIEEE 802.11a/b/gの3方式すべてに対応。それぞれの規格に対応した端末と同時に通信できる。またタグVLAN機能を搭載し,一つのアクセス・ポイントで最大で17のVLANを設定できる。

 アクセス・ポイントでは,アクセス・ポイントに接続するための識別子「SSID」(service set identifier)とタグVLANのIDを組み合わせて管理。有線のLANには,SSIDに対応したVLAN IDを付与したパケットを送り出す。例えば部門ごと異なるSSIDを使い分ければ,互いにLANを分けて運用できる。

 同時に発売するAP-50も,IEEE 802.11a/b/gの3方式に対応しているが,11aと11b/g端末との同時通信はできない。11aまたは11b/gのいずれかを選択して利用する。AP-5100Aとは異なり,VLAN機能には対応していない。

 AP-5100A,AP-50ともに一般消費者向けよりも強固なセキュリティ機能を搭載した。「IEEE 802.1x/EAP」に対応し,RADIUSサーバーを利用した認証を可能にしている。暗号化方式として,一般向け機器に搭載されているWEPよりも強固な「WPA-PSK」,「OCB AES」に対応した。ファームウエアのアップグレードにより今後「WPA」(Wi-Fi Protected Access)にも対応する。

 両製品共に,米アセロス・コミュニケーションズが提唱する無線LANの実効速度を上げる技術である「Super A/G」を搭載。同社の無線LAN子機「SE-50」との組み合わせで,一般的な11aや11gの実効速度である20~23Mビット/秒よりも高速に通信できる。予想実勢価格は,AP-5100Aが12万8000円,AP-50が6万8000円。

(白井 良=日経コミュニケーション)