マクロメディアは5月18日,Webを利用して社員間のコミュニケーションをサポートするソフトウエア「Macromedia Breeze 日本語版」を6月7日から発売すると発表した。専用ソフトが不要で,ブラウザだけでビデオ会議機能や,マイクロソフトのプレゼンテーション・ソフト「Microsoft PowerPoint」で作成したスライドの閲覧が利用できる。

 新製品は,(1)Webブラウザでビデオ会議を利用する「Breeze Live」,(2)PowerPointで作成したスライドをFlash形式に変換してネットワーク上に公開する「Breeze Presentation Platform」,(3)PowerPointによるプレゼンテーションを利用したeラーニングを実施するための「Breeze Training Module」――の三つのコンポーネントからなる。

 Breeze Liveは,ビデオ会議やホワイト・ボード機能を持つ。Excelなどのアプリケーションの画面を共有し,複数の参加者がデータ入力などの操作を行うことも可能。その際,操作する側のパソコンにアプリケーションがインストールされている必要はない。ライセンス価格は,同時に会議に参加するユーザー数で決まる。10ユーザーまでの同時利用ならば,1サーバー当たり120万円から。

 Breeze Presentation Platformを使えば,PowerPointでFlashコンテンツを作成してネットワークに公開できる。従来のFlashコンテンツ作成ツールと異なり,コンテンツ作成のためのスキルは不要。スライドに音声を付加して公開することもできる。プレゼンテーション機能に選択形式の「クイズ」を追加し,クリックした結果に対応して異なる画面を表示することも可能だ。Flash形式への変換はネットワーク帯域の節約になる。「ファイルの種類にもよるが,10MバイトのPowerPointファイルをFlash形式に変換すると200kバイトに圧縮できることもある」(田中章雄取締役CTO)。ライセンス価格は「コンテンツ作成者の数」で上下する。ライセンスが5アカウントの場合は1サーバー当たり312万円から。閲覧はライセンス不要で,作成したコンテンツをインターネット上で不特定多数に公開してもよい。

 Breeze Training Moduleは,プレゼンテーション機能に追加したクイズでの正答率や回答までにかかった時間などを管理するツール(写真)。eラーニングが複数のコンテンツで構成されている場合は,各参加者の進ちょく管理もできる。Breeze Training Moduleは,コンテンツ作成用のBreeze Presentation Platformとセットで購入する必要がある。Breeze Training Moduleの価格は「eラーニングの受講者数」による。50人の場合は1サーバー当たり300万円から。

 各コンポーネントについて,ユーザー側でサーバーを持たず,インターネット経由でアプリケーションの機能を利用するホスティング・サービスも用意する。サーバーはマクロメディアが運営する。

(白井 良=日経コミュニケーション)