シマンテックは5月11日,企業のシステム管理者がクライアント・パソコンを一括管理するための統合セキュリティ・ソフトの新版「Symantec Client Security 2.0」を発表した。ウィルス対策,パーソナル・ファイアウォール,侵入検知の各機能を統合した。2004年6月4日から販売を開始する。Symantec Client Security 2.0は今回のバージョンアップにあたり,社外から持ち込んだノート・パソコンを社内ネットワークに接続したり,社外からリモート接続した場合のセキュリティ対策機能を強化した。

 具体的には従来のバージョンに対して主に4つの新機能が追加された。第1は,社内や自宅などパソコンを使う場所を判断して,その場所に必要なセキュリティ設定に切り替える機能である。クライアント・パソコンが社内ネットワークに接続,または自宅からのリモート接続,あるいはホットスポット経由などを判断する。どの場所にいるかを判断するために今回のソフトでは,ゲートウエイのMACアドレスや無線LANのSSIDなど10項目の情報を使う。どの項目を優先するかは管理者が設定できる。

 第2は,社外からVPN(仮想閉域網)経由で社内ネットワークに接続するとき,そのパソコンが十分なセキュリティ対策を施しているか自動的にチェックする機能である。例えば「定義ファイルが最新か」「ウィルス対策ソフトはインストールされているか」といったチェックを行う。チェック項目は管理者が設定し,条件を満たさないパソコンを接続させないようにできる。第3に,従来のLotus Notes/Microsoft Exchangeメールに加えて,POP3受信メールの監視にも対応した。そして第4として,スパイウエアやアドウエアなど潜在的な危険性のあるプログラムを検出し,除去あるいはログに記録する機能を持たせた。
 
 Symantec Client Security 2.0の価格はライセンス数10~24の新規ユーザーに対して1ライセンス当たり1万4300円となっている。なお,7月16日には店頭販売用の「Symantic Client Security Business Pack」も発売開始する。5ライセンス版の価格は7万6000円。

(安藤 正芳=日経NETWORK)