米ゾーン・ラボは5月11日,個人及び非営利目的のユーザーを対象に「ZoneAlarm4.5」日本語版の無償提供を開始した。同ソフトは世界で約2500万以上のユーザーに利用されている著名なパーソナル・ファイアウォール(ユーザーのパソコンにインストールするファイアウォール・ソフト)である。

 ZoneAlarmはクラッカやウイルスの侵入からパソコンを守る。スパイウエアやトロイの木馬がネットワークに個人情報などを送信することも防げる。セキュリティ設定は,パソコンを使う状況に合わせてできる。「例えば自宅のパソコンなら他のパソコンとリソースを共有したいのでセキュリティを緩く,ホテルで無線LAN接続する際は他のユーザーにパソコンを見られないようにセキュリティをきつく設定する」(同社のコーポレート・コミュニケーションズ・マネージャのコーリー・ブリッジス氏)。

 また,スパイウエアやトロイの木馬からパソコンを守るために,アプリケーションの通信を制御する機能がある。例えばスパイウエアは「キーストロークを覚えて個人情報をパソコンで集めネットワークに出すようなものもあり,米国でも問題になっている」(ポール・ワインスタイン事業開発 国際事業担当副社長)という。ZoneAlarmは,ユーザーの許可なしではアプリケーションがネットワークに接続しないようにできる。このほか,電子メール保護の機能を備え,メールに添付されたVBScriptファイルをユーザーの許可なしに実行しない設定が可能だ。

 ZoneAlarm4.5よりも高度なセキュリティ設定が可能な「ZoneAlarm Pro4.5」日本語版は有償提供を開始した。ゲートウエイ型ファイアウォール装置と同様の設定項目を持ち,アプリケーションやメールの保護についてもより詳細に設定できる。PINコードや住所,氏名,クレジット・カード番号などの情報がネットワークに送られるのを検出する機能も備える。

 ZoneAlarmの動作環境はWindows 98 SE/Me/NT4.0/2000/XPである。「ZoneAlarm4.5/Pro4.5」はいずれもゾーン・ラボのWebサイトから入手できる。Proはオンライン販売もしており,価格は4500円である。パッケージ版もあり,こちらはアークンが販売する。希望小売価格は5600円(税抜き)。このほか企業向けに,ZoneAlarmの一元管理もできる「Zone Labs Integrity」をアダムネット,ELNISテクノロジーズ,フォーバル クリエーティブが販売する。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション)