コーヒーのルート・セールスを手がけるユニマットオフィスコは,5月から子会社のボイス インターコミュニケーションズ(以下,VIC)を通じてIPセントレックス・サービスに本格参入したことを明らかにした。

 新サービス「Vセントレックス」は,フュージョン・コミュニケーションズのIP網を利用するIPセントレックス・サービス。VICのデータ・センターに設置したIPセントレックス・サーバーを経由したIP電話の発着信に加え,企業内ネットワークに設置する「V Branch」と呼ぶ中継装置も併用するのが特徴である。

 V Branchは,拠点内の内線電話を実現するPBX(構内交換機)的な機能を備える。仮にIPセントレックス・サーバーがダウンしても,内線は継続して使える。外線(既存の電話回線)用のポートも4つ装備しているため,「着信は外線から手持ちの電話番号にかけてもらい,外線への発信と内線はIP電話でかける」といった使い方ができる。

 サービス料金は,アカウント利用料がIP電話機1台ごとに月額1050円,V Branchの保守料が1台ごとに月額3150円,050番号の利用料が1番号ごとに月額399円。通話料金の一例として,契約企業内,他のVセントレックス契約企業,フュージョンのIP電話へは無料でかけられる。固定電話への発信は全国一律3分8.4円,携帯電話への発信は1分17.85円である(いずれも税込み)。このほか初期費用と,V BranchとIP電話機のレンタル(またはリース)料金がかかる。

 Vセントレックスはこれまで試験的に販売してきた。2004年4月には加賀電子が同サービスを導入して,約1000台のIP電話機を利用中である。通信コストを約3割削減できる見込みとしている。

 VICは,企業の通信コスト削減のためのASP(appliaction service provider)とコンサルティングのサービス「VOXサービス」を提供中。今回新たにIPセントレックスも始めることにした経緯を,VICの長尾定代表取締役会長は「既存のセールス・ネットワークを活用でき,企業にとってはさらなる通信コストの削減になると考えた」と説明している(写真)。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション)