特徴は当初からIP電話とアプリケーショ ンの連携を前提にシステムを構築すること 。電子メールなどのアプリケーションと連 携させたIP電話を使うことで,「より多くの 顧客とコンタクトできるようになるなど社員 の効率アップを目指す」(日興コーディアル 証券の立原康司システム統括部長)とし, 「通信コストの削減はあくまで二の次。これ を期待して導入したわけではない」(同)と 言い切る。
目玉となるのはIP電話システムと「プレ ゼンス管理機能」の連動だ。プレゼンス管 理とは,社員の在席/離席/出張中,電話 で通話中といった状況が一覧できるシステ ムのこと。電話をかける相手がどういった 状況にあるのかを確認し,コンタクト手段 を電話や電子メールで使い分けることが 可能となる。これによって,「相手がいない のに電話をかける無駄を省く。受ける側も 他人の電話を取る回数が減りメリットが大 きい」(立原システム統括部長)といった効 果を狙う。プレゼンス管理のシステム自体 は日興コーディアル証券が昨年9月に導 入したものを活用する。
このほか,IP電話サーバーと連動するシ スコの伝言管理サーバーを導入。電子メ ールのクライアントや外部の電話から伝言 内容を確認できるようにする。また,電子 電話帳の画面上で相手の名前をクリック するだけで電話がかけられる仕組みも入 れる。
(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)