「SIP(session initiation protocol)サーバーで当社はナンバーワンのシェアを獲得した」--。NECの金杉明信・代表取締役社長が4月28日,同社の2003年度決算発表会で明らかにした。続けて「IP電話は非常に関心が高い分野。IPテレフォニー/VoIP(voice over IP)を切り口にトータル・ソリューションへ拡大していく」と今後の展開を語った。

 SIPサーバーは企業向けIP電話システムを実現する重要な製品。NECはSIPサーバー「UNIVERGE SV7000」を武器に,シスコシステムズなどとしのぎを削っている。SIPサーバーのシェア1位の根拠は「各社の出荷台数を調査会社に依頼して調べた独自調査の結果」(NEC)という。ただし,SIPサーバーと並んでIP電話システムの鍵を握るIP-PBXに関しては,「富士キメラ総研など第3者によるレポートで,No1のシェアを占めている」(同)という。

 2003年度のNECグループの売り上げは前年比約5%増の4兆9068億円で,営業利益は同50%増の1826億円。このうち最も飛躍したのはネットワークソリューション事業。海外への携帯電話の出荷が前年比5倍に達し,売り上げ増に大きく貢献した。ネットワークソリューション事業の売り上げは前年比13%増の1兆7757億円で,営業利益は前年の倍増の678億円となっている。

(小野 亮=日経コミュニケーション)