NTT東西地域会社は4月28日,「集合住宅向けIP電話サービス」を総務省に認可申請した。集合住宅向けのFTTH(fiber to the home)サービス「Bフレッツ マンションタイプ」を利用するユーザー向けに提供。8月にも,東京23区の一部と大阪府の一部で開始する。

 集合住宅向けIP電話サービスは,「03」,「06」など「0AB~J番号」と呼ばれる電話番号を利用できる。既存の加入電話から,電話番号を変えずにIP電話に移行できる。「110番」,「119番」への通話にも対応する。

 0AB~J番号で提供するには,音声品質を確保する必要がある。このためIP電話では,Bフレッツ中継用の地域IP網は利用しない。東西NTTが「法人向けIP電話サービス」用に構築した中継網を利用して品質を確保する。

 同様のサービスは,KDDIが「光プラス電話」で提供中。東西NTTは激しいユーザー獲得合戦が繰り広げられている集合住宅でKDDIなどと対抗するため,IP電話サービスの提供に踏み切った。

 これまでも東西NTTは,フレッツ・シリーズの付加メニューとしてIP電話を使える機器をレンタルしてきた。ただしこの方式では,IP電話を提供するのはインターネット接続事業者で,電話番号は「050」で始まるサービスだった。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)