写真 米F5ネットワークスのジョン・マッカダム社長

 米F5ネットワークスのジョン・マッカダム社長は4月30日,LB(load balancer:負荷分散装置)「BIG-IP」の次世代機を発売することを明らかにした(写真)。BIG-IPのバージョン9に相当する製品である。実際の製品名にも「BIG-IP」が付くが,正式名称は未定。現在F5社内で「Buffalo Jump(バッファロー・ジャンプ)」というコードネームで呼ばれている。

 次世代BIG-IPは,現行製品から大幅に性能を向上させている。「具体的な数値は今後明らかにするが,一例として1秒間に新規に確立できるSSL(secure sockets layer)のコネクション数を現行製品の約10倍となる10000にあげる予定だ」(マッカダム社長)。

 いくつかの新機能も盛り込まれる。帯域制御機能を搭載し,“音声データを優先して通す”などの処理を可能にする。コンテンツ圧縮機能も搭載。HTMLなどのデータをGZIP形式で圧縮して送ることで,ユーザーの体感速度を高められる。さらに2004年末をメドに「ソフトウエア・モジュールとしてSSL-VPN(SSLを使った仮想閉域網)も利用できるようにする」(マッカダム社長)。

 このほか,SSL-VPN装置「FirePass」を2004年の後半にバージョン・アップして,パフォーマンスを向上させる。また,かねてから開発中であると表明していた「Application Firewall Gateway」も,年内に登場する。これは“アプリケーション・プロキシ・ゲートウエイ”と呼ばれる形式の装置。HTTPなどレイヤー7やアプリケーションのデータを詳細に検査することで,レイヤー4までしか見られないファイアウォールよりも高いセキュリティを実現する。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション)