米アイソコア・インターネットワーキング・ラボは,GMPLS(generalized multiprotocol label switching)技術を用いて,次世代の光IPネットワークに向けた自律分散制御の実験をマルチベンダー環境下で行った。

 参加したのは米アビシ・システムズ,米シエナ,米シスコ・システムズ,米ジュニパー・ネットワークス,富士通研究所,古河電気工業,三菱電機,カナダのナブテル・コミュニケーションズ,NEC,NTT,米シカモア・ネットワークス,米テラブスの日米12社。この実験は2004年3月8日と15日の週にかけてアイソコア社内の施設で実施されたが,同じ内容を「SUPERCOMM 2004」(2004年6月20日~24日,米シカゴ)で一般公開する。

 今回のアイソコアの実験では,OSPF(open shortest path first)拡張プロトコルを使って,トポロジ情報を基に動的にLSP(label switched path)を計算し設定した点を成果としている。こうすることで,自律分散的にトポロジ情報やリンクの使用状態の情報を収集し,各ノードがCSPF(帯域制約最短経路:constraint-based shortest path first)エンジンを使って自律分散的に経路を計算することが可能となる。IP-VPNやIPv6 over MPLSなどを応用例として想定している。

 GMPLSに関する実験はこれまで何回か行われており,最近では2004年1月にNTTなど国内6社が1Gビット/秒~10Gビット/秒の光ネットワークをGMPLSで制御する実験を行っている。この実験では,GMPLSのRSVP(resource reservation protocol)とOSPFの連係動作をはじめ、障害回復シグナリングなどを検証した。

(加藤 雅浩=日経コミュニケーション)