NTTコミュニケーションズとフジテレビジョンは4月19日から4日間,IPネットワ-クを使い,東京とラスベガス間で高精細映像の双方向伝送を実験する。1万5000キロメートルという長距離で遅延の少ない映像伝送を目指す。将来の高精細映像を使った番組需要を見込み,長距離伝送や遠距離制御などのノウハウ蓄積が狙い。

 高精細映像は「HDTV」という地上デジタル放送で使われる形式を用いる。HDTVはデータ圧縮を行わないので1.5Gビット/秒の帯域が必要。HDTVのデータや各種の制御信号をNTTコミュニケーションズの国際IP-VPNサービスである「ArcstarグローバルIP-VPN」を使って送受信する。ネットワークは2.4Gビット/秒の帯域を確保する。

 実験では,フジテレビの本社があるお台場(東京都江東区)とラスベガス・コンベンション・センター間で,ライブ中継を実施する予定。ラスベガスからお台場に設置したカメラの遠隔制御実験も行う。

(武部 健一=日経コミュニケーション)