NTT-MEは4月12日,マンション内の各戸まで光ファイバを敷設するネットワーク構築サービス「SOPP(ソップ)」の提供を開始する。マンション内のネットワーク・インフラを光化することで,FTTH(fiber to the home)サービスで引き込んだインターネット接続回線を,光信号のまま各戸までつなぎ込める。また,住人は個別にFTTHサービス「Bフレッツ」などを契約できるようになる。まずは首都圏から提供を開始し,順次全国に拡大していく。

 SOPPは,マンションのMDF(main distribution frame)室などに設置したメディア・コンバータと,各個に設置したメディア・コンバータの間をシングルモード光ファイバでつなぐ。メディア・コンバータは,1回線の光ファイバに上り/下り2本の光信号を多重して伝送する。最大伝送速度は100Mビット/秒。光ファイバは各戸ごとに2回線を引き込む。このため,住人はFTTHサービスを最大2回線まで契約できる。Bフレッツの場合,戸建て向けの「ニューファミリータイプ」でも,集合住宅向けの「マンションタイプ」でも好きな方を選べる。

 構築費用は,メディア・コンバータの機器費用を含めて1戸当たり12万円かかる。既存マンションの場合,管理組合が9万円,各戸の住人が3万円になる見込み。管理組合と住人の負担比率は,光ファイバの敷設に必要な工事区間を基に試算している。

 これまで,マンション内のインターネット接続回線は,既存の電話回線を流用できるVDSL(very high bit rate digital subscriber line)を導入するか,イーサネットのLANケーブルを敷設するケースが多かった。VDSLの場合,利用環境によってはFTTHの実効速度を十分に使い切れないことも多かった。もちろん,住人が個別にFTTHを引き込むことも可能だが,マンション内の共用スペースに光ファイバを通すため,管理組合の許可が不可欠だった。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション)