NTT東日本とNTT西日本は4月6日,FTTH(fiber to the home)サービスのBフレッツとADSL(asymmetric digital subscriber line)サービスのフレッツ・ADSLのユーザー向けにテレビ電話端末を提供すると発表した。両社は「IPテレビ電話端末」と呼んでいる。6月から提供を開始する。

 東西NTTは同端末を供給するが,「IPテレビ電話」のサービスはBフレッツやフレッツ・ADSLの提携インターネット接続事業者(ISP)が提供する。現在の個人向けIP電話サービスと同じ形態だ。東西NTT自体が直接IP電話サービスに乗り出すわけではない。

 IP電話専用の050番号を使ってテレビ電話できるかどうかについては「ISPと仕様を詰めている段階で決まっていない」(NTT東日本)という。IPテレビ電話端末はIP電話をベースにしたテレビ電話機能を持つ。タッチパネルを使って操作ができるといった特徴がある。相手の端末を呼び出す呼制御プロトコルはインターネット標準のSIP(session initiation protocol)もしくは国際標準のH.323。画像や音声の符号化方式は公表していない。

 また,フレッツ・ユーザー向けサービスであるNTT東日本の「FLET'S.Net」やNTT西日本の「フレッツ・コミュニケーション」でも同端末を使えるようにする。

 同端末は今後,東西NTTの個人向けIP電話サービスでも活用されていく可能性が十分にある。NTTはグループで次世代サービス「RENA」を開発中だが,同端末を「NTTグループが推進するレゾナント・コミュニケーションの実現に向けた取り組みの一環として開発した」と位置付けている。個人向けのサービスや製品に関して,東西NTTが歩調をあわせてを発表するのは最近では異例だ。

 東西NTTは法人向けのIP電話サービスを昨年開始したが,個人向けについては「夏ころには提供したい」(NTT東日本)としている。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)