NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は4月2日,同社のIP電話用ネットワーク「VoIP基盤網」と相互接続するインターネット接続事業者(プロバイダ)向けに,IP電話の通話品質を測定するサービスを5月の連休明けにも開始することを明らかにした。VoIP基盤網を使うプロバイダは,現在約110社ある。

 具体的には,NTTコムのVoIP基盤網とプロバイダのIP網の境界点,プロバイダのIP網とNTT東西地域会社の地域IP網の境界点,IP電話ユーザーの宅内--などに測定機器を設置。1時間に1回の間隔で測定機器からNTTコムの測定センターに通話品質に関するデータを送り,集計してグラフ化する。NTTコムの網を経由してどのプロバイダにIP電話をかけるとどの程度の品質で通話できるかを,エンド・ツー・エンド(発信元のIP電話端末から着信先のIP電話端末の間)で把握できる。

 レポートはWebブラウザで閲覧できる。レポート内容は,IP電話の音声伝送品質を表す「R値」,遅延時間。オプションで,音質評価の測定値である「PSQM」(perceptual speech quality measure)や「PESQ」(perceptual evaluation of speech quality)も見られるようにする。あらかじめ設定しておいたしきい値を超えたらメールなどで警告を出す機能も用意する予定。

 料金は,5月上旬をめどに発表する。NTTコムは,同社のIPセントレックス・サービス「.Phone IP Centrex」を使っている企業約1000社にも今回のサービス提供する検討も進めており,これから市場調査に入る。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション)