日本テレコムは4月1日,公衆無線LANサービス「モバイルポイント」の提供を開始した。提供エリアは,JR東日本の駅構内やホテルニューオータニなど全国112カ所。ステッカー(写真)が提供エリアの目印となる。無線LAN規格はIEEE802.11bを採用する。

 同サービスは2001年9月以来,JR東日本と共同で実験を続けてきたが,ようやく商用化の運びとなった。実験にはのべ3万8000人のユーザーが参加していた。

 モバイルポイントは,日本テレコムのインターネット接続サービス「ODN」のユーザーが利用できる。利用料金は,5月までは無料。6月以降は「どれくらいの料金設定が適切なのかを現在模索している」(松原大助・法人事業本部マーケティング戦略部長)。

 他のインターネット接続事業者にも提供する。現時点での“卸売り先”は,KDDIの「DION」やぷららネットワークスの「ぷらら」,JENSの「JENS SpinNet」など。また,NTTブロードバンドプラットフォームの「無線LAN倶楽部」など,他の公衆無線LANサービスとの相互接続も予定している。なお,4月1日からサービスを開始するのはJENS SpinNetのみ。

 インターネット接続事業者に対する料金は,2004年9月30日までは初期導入費用は無料で月額30万円。10月1日以降は,20万円の初期導入費用に加え,「月額30万円で“250円で1日使い放題のユーザーID”を1200IDまで発行」というやや複雑な体系となる。1200IDを超過した場合は,1ID当たり250円。

 日本テレコムでは,モバイルポイントから社内イントラネットへアクセスするなど,法人利用も想定する。現在は,インターネット経由であれば同社のIP-VPN「Solteria」や広域イーサネット「Wide-Ether」の網に接続し,社内LANへアクセスする形になっている。今後は,SolteriaやWide-Etherの網への“直結”も現在検討している。これが実現すれば,インターネットを通らずに,社内LANに接続できるようになる。

(武部 健一=日経コミュニケーション)