2003年7月に成立した改正電気通信事業法が,今日4月1日にいよいよ施行される。改正事業法は,一種・二種といった通信事業者の事業区分を撤廃するなど,大幅な規制緩和が図られている。同法の施行で,1985年の通信自由化以来続いてきた通信制度が大きく変わることになる。規制緩和による競争促進で,通信サービスの料金が一層下がる契機にもなりそうだ。

 改正事業法の施行で,通信事業者とユーザーに最も大きな影響を与えそうなのは事業区分の撤廃に伴う相対(あいたい)契約の全面解禁である。通信サービスの提供条件や料金を,通信事業者とユーザー企業の直接交渉で自由に決められるようになる。料金表からの値引きや,サービスのカスタマイズなどが交渉次第で可能になる。

 従来の一種事業者や特別第二種事業者は,契約約款に定められた提供条件と料金でのサービス提供が義務付けられていた。改正事業法の施行後も,ほとんどの通信事業者は約款と料金表を残すが,必ずしもその通りの料金でサービスを提供する必要はない。ただしNTT東西地域会社が提供する市内電話などのユニバーサル・サービスは,従来通り相対契約は認められない。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション)