主に関東地方でPHSサービスを提供している鷹山は,DDIポケットの基地局とバックボーン・インフラを利用して,全国でPHSサービスを提供したい意向を表明した。「遅くとも秋口にはサービスを開始したい」(新規事業企画室)。

 DDIポケットによると「具体的な内容は決定していないが,相談を受けているのは事実。技術面,制度面から何ができるのか検討を進めているところ」(広報室)。

 DDIポケットは,PHSデータ通信に限りPHSインフラの一部を貸すサービスを提供している。日本通信や富士通などはこれを利用し,自社ブランドでのPHSデータ通信サービスを提供している。「音声通信にDDIポケットの網を利用したい」(鷹山の新規事業企画室)ため,音声通信での業務委託となれば初めての例になる。

 鷹山は2002年,東京電力系の通信事業者TTNet(現パワードコム)からPHS事業「アステル東京」を買収。関東地方と山梨県,静岡県東部でPHS事業を展開している。最近,アステルグループは九州,北海道でサービスを停止。全国での利用はできなくなっている。

(白井 良=日経コミュニケーション)