侵入検知システム(IDS)大手のインターネットセキュリティシステムズ(ISS)は3月23日,不正侵入を検知するだけでなく防御を提供する「マネージドプロテクションサービス」を4月から提供開始すると発表した。直販はせず,代理店を通じて販売する。

 マネージドプロテクションサービスで利用するのは,不正侵入を検知するIDSに検知した攻撃を止める機能を追加したIDP(intrusion detection and prevention)製品。ISSが販売中のIDP「Proventia G」をユーザー拠点内に設置し,インターネットなどを経由してリモートで監視する。

 特徴は,防御できなかった場合にサービス料金を返金するSLA(service level agreement)を結ぶこと。ただし,すべての攻撃に対して保証するものではなく,ISSがあらかじめ規定するリストにある200種類ほどの攻撃を防げなかった場合に限られる。ユーザーが設定した攻撃に関しては,防御のサービスは提供するが返金対象にならない。

 サービス料金は,初期設定料金が24万円,月額サービス料金が30万円から。このほか,Proventia Gの購入価格198万円,年間保守料金75万6000円からとなる。レンタルでの提供も可能だ。

 ISSは同時に,ユーザー数が50~250を対象とした小規模事業所向けのマルチセキュリティ・アプライアンスの新製品「Proventia M30」を発表した。価格は55万円からで4月中旬から出荷する。IDPのほか,ファイアウオール,VPN(仮想閉域網),ウイルス対策機能を搭載。2004年上半期には,スパム対策機能とコンテンツ・フィルタリングにも対応する予定である。

(山根 小雪=日経コミュニケーション)