NTTコミュニケーションズ(NTTコム)とフュージョン・コミュニケーションズは3月22日,固定電話から携帯電話へと格安に発信できるサービスを,4月1日から開始すると発表した。

 料金は1分単位でNTTコムが1分18円,フュージョンが同19円に設定した。相手の携帯電話番号の前に事業者識別番号をダイヤルすると,この料金が適用される。識別番号はNTTコムは「0033」,フュージョンは「0038」。昨年総務省が「固定発携帯電話の料金設定に関する方針」を定め,その中で固定電話の事業者にも料金設定権を認めことを受けたもの。

 事業者識別番号を付けずに発信すると,携帯電話事業者が設定した料金となる。ちなみに,NTTドコモの場合は平日昼間26秒で10円(1分換算で約23円),auの場合はドコモよりも高めで20秒で10円(同30円)。つまり最も短い課金単位時間内での通話であれば,携帯電話事業者経由で通話したほうが安くなる。

 なお同種の“固定発携帯着”サービスはすでに東西NTT,ケーブルアンドワイヤレスIDC,日本テレコム,パワードコムが発表済み。各社とも4月1日に一斉に開始する。大手の中では,KDDIだけが提供を表明していない。もっとも小野寺正社長は3月17日の会見の中で「4月には取り組む」と発言している。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)