NTTコミュニケーションズは3月19日,韓国の通信事業者であるKT(旧コリアテレコム)と共同で無線LANアクセス・サービスのローミング実験を3月25日から開始する。9月下旬まで続ける予定だ。

 対象は,NTTコミュニケーションズが提供する「ホットスポット」の利用者のうち2000人と,KTが提供する「NESPOT(ネスポット)」の利用者のうち2000人。ホットスポットの利用者は,NTTコミュニケーションズのホームページ(http://www.hotspot.ne.jp/)から申し込んで実験サービスに参加する。実験参加者は,ホットスポットまたはNESPOTの利用料だけで,日本に約650カ所あるホットスポットと韓国に1万1000カ所あるNESPOTの両方を利用できる。

 これとは別に,NTTコミュニケーションズは2003年4月から,米国でローミング・サービスを手掛けるアイパス(iPass)と共同で,世界24カ国で無線LANアクセス・サービスが利用できる「ホットスポット グローバルブロードバンドローミングサービス」を提供している。ただし実験サービスとは異なり,1分当たり37円の従量料金が必要だ。

 実験サービスでは,実験終了後の商用化も視野に入れて技術的な検証を行う。合わせてマーティング面も調査する。今回の実験は,NTTコミュニケーションズとしては初めてのアイパスを介さない無線LANローミング。「商用サービス化時の料金は,グローバルブロードバンドローミングサービスよりは安くなるだろう」(NTTコミュニケーションズの加納貴司ユーザアクセス部 企画グループ マーケティングチーム リーダー)。

(白井 良=日経コミュニケーション)