KDDIは3月19日,第3世代携帯電話(3G)の高速パケット通信方式「1xEV-DO」に対応したPCカード型端末「2GHz DO CARD」(日立製作所製)を31日から発売すると発表した。
2GHz帯の周波数を利用するタイプで,ノート・パソコンに接続して最大2.4Mビット/秒,実効600k~800kビット/秒でパケット通信ができる。現在は東京都内の一部でしか使えないが,大阪市・名古屋市の中心部でもサービスを開始する。

 KDDIは1xEV-DOサービスを,主力のCDMA2000 1X方式携帯電話サービスに利用している800MHz帯と,3G専用に取得した2GHz帯の2本立てで提供してきた。800MHz帯では「CDMA 1X WIN」のブランドで携帯電話型とPCカード型の端末を発売し,積極的に展開。これに対して,2GHz帯の対応端末はレンタル限定の外付け型無線モデム「DO-BOX」だけ。しかも利用エリアは東京都内の環状7号線の内側で,東部は隅田川よりも西側の地域に限定するなど“試験色”が強かった。

 新端末の発売にともない,既存ユーザーからDO-BOXを回収し2GHz DO カードに切り替えてもらうほか,同端末向けに提供していた月額2万1000円の完全定額制プランも終了する。2GHz DO カード向けには,これまで800MHz帯の1xEV-DOカード向けに提供してきた「WINシングル」をそのまま導入。同プランの月額基本料は1500円で,通信料は1パケット(128バイト)ごとに0.1円となる。
 
(高槻 芳=日経コミュニケーション)