ソフトバンクBBが同社としては初めての特許出願をしていたことが本誌の調査で分かった。IP電話サービス関連の特許で出願は2002年7月,一般公開は2月26日。従来,ソフトバンク・グループが出願したIP電話サービス関連の特許は,出願人「ソフトバンク」,発明者「孫正義」となっていた。今回公開された出願の発明者は「孫正義」で従来と同じ。

 出願した特許の名称は「メッセージ送信システム及びメッセージ送信方法」(公開番号は特開2004-64566)。ユーザーのIP電話端末に対して,設定した時刻に音声メッセージを送信するというもの。例えば,モーニング・コールのシステムに利用できる。今後,ホテルなど宿泊施設にもIP電話システムの導入が進んでいくのは確実。今回の出願はそうした動きをとらえたものといえる。

 このほか,2月にはソフトバンクが出願したIP電話関連と見られる特許が4件公表された。インターネット上に電話帳を置いて,外部からアクセスするというものなどだ。これでIP電話関連で合計10件の特許を出願していることが確認できた。孫社長は昨年11月に本誌に対して「数十件の特許を出願している」と明らかにしており,このほかにも出願が存在する可能性がある。特許は出願しても1年半は公開されないからだ。

 もっともこれら10件の特許は出願されただけで,いずれも成立はしていない。特許が成立するには,出願を審査するように特許庁へ請求し,審査官から「特許査定」を得る必要がある。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)