写真●会見する宮内謙副社長(中央)

 ADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「Yahoo! BB」の顧客情報が流出した経緯について,ソフトバンクBB(SBB)は2月24日の午後10時から改めて会見を開いた。本日2回目の会見には,宮内謙副社長が出席。説明に当たった(写真)。

 一部報道で出たYahoo! BBから流出した顧客情報460万人という数字については,「現在SBB社内の顧客データベースと照合中。それが終わるまでは,我々の顧客データであるとは断言できない」(宮内副社長)と説明。ただし,「既にサービスを提供中のユーザーと,申し込み段階でサービス開始待ちのユーザーを足せば,大体その数字になる」(同)と述べた。Yahoo! BBのユーザー数は,2004年1月末時点で381万7000である。

 情報が流出した経路については,「依然としてつかめていない」(宮内副社長)。今後顧客データベースのアクセス・ログを解析するなど,本格的な経路特定を25日から実施する。

 今回の事態を受けて,SBBは社内のセキュリティ体制を強化した。具体的には,(1)顧客データベースへのアクセス権強化,(2)アクセス・ログ監視部門の強化,(3)アクセス時間の制限,(4)パスワードの変更時間の短縮化--である。

 特に,(1)に関しては顧客データベースにアクセスできる人数を58に制限する。顧客情報流出時には,顧客データベースに132人のユーザーがアクセスできる設定になっていた。加えて,IDS(侵入検知システム)の導入や,宮内副社長を中心とした調査委員会を設置する。

 今回の情報流出については,既存のユーザーに対してはWebで告知する。

(蛯谷 敏=日経コミュニケーション)