シャープは2月20日,欧州初の100万画素ディジタル・カメラ付き携帯電話「GX30」を発表した(写真)。欧州標準の携帯電話方式「GSM」に対応している。英ボーダフォン・グループ向けの製品で,同グループ傘下の携帯電話事業者が3月から順次,欧州の各地域で発売する。

 同端末の特徴は,カメラ機能以外にも日本の現行携帯電話に遜色ない様々な付加機能を搭載した点。例えばボーダフォンが提供するブラウザフォン・サービス「Vodafone Live!」に対応しており,カメラで撮影した静止画や動画を他のユーザーとネットワーク経由でやり取りできる。データ通信にはGSM方式携帯電話のパケット通信技術「GPRS」(general packet radio service)を利用する。2.2インチの液晶ディスプレイ,SDメモリーカード・スロット,MP3形式の音楽データ再生機能,Javaや40和音の着信メロディにも対応している。

 欧州のGSM方式携帯電話では現状,世界で約4割のシェアを持つフィンランドのノキアを筆頭に,欧米メーカーが市場の大半を握る。ただし世界的には日本メーカーが端末の高機能化競争で先行。シャープは,カメラなど多機能ぶりをアピールして欧州市場での存在感を高め,2004年後半から欧州で商用化が相次ぐ3世代携帯電話(3G)の市場獲得につなげる狙いだ。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)