米国の大手ホスティング/IP-VPN(仮想閉域網)事業者のサヴィス・コミュニケーションズは,「バーチャライズド・サービス・アーキテクチャ」と呼ぶ仕組みを使った新サービスの全メニューを,4月にも国内で提供する。バーチャライズド・サービス・アーキテクチャは,1台のルーター・スイッチやセキュリティなどの装置を仮想的に分割して,複数の企業に提供する仕組みである。

 サービスで提供するのはWAN接続,セキュリティ,サーバー,ストレージ--の4機能。米サヴィスのロバート・マコーミック会長兼CEOは,「国内ではWAN接続とセキュリティは既に提供可能で4月にもサーバーとストレージの機能も提供できる状態にする」という(写真)。WAN接続は加ノーテル・ネットワークスのルーター・スイッチ,セキュリティは米インクラ・ネットワークスの統合セキュリティ装置,サーバーは米イージェネラのブレード・サーバー,ストレージは米スリーパーデータの製品を使う。

 企業ごとにサーバーやネットワーク機器を用意するのが,従来のホスティング手法。この手法には“機器の余剰キャパシティを活用できていない”,“同じ機器でも利用企業ごとに用意しなくてはならない”などの理由から,コスト削減の余地があるとサヴィスは見る。4年前に新サービスの開発に着手し,6カ月前から米国でサービスを開始した。「米国では,従来のアウトソーシング・サービスの半分のコストで新サービスを提供できている」(マコーミック会長兼CEO)という。ただし現時点で,国内でのサービス料金は決まっていない。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション)