NTT持ち株会社は2月3日,Linuxへの取り組みを発表した。Linuxの大規模/高信頼システムでの利用を促進する非営利組織「オープン・ソース・デベロップメント・ラボ」(OSDL)に参加。Linuxの活用について検討する。OSDLへはNTTコムウェアが加入しているが,今回はNTT持ち株会社として参画。グループ全体での活用について見極める。

 NTTは「具体的な目標を定めているわけではない」(サイバーコミュニケーション総合研究所広報)とするが,OSDLに参画した結果次第では,(1)ルーターや交換機などの通信インフラ,(2)データ・センターにおける無停止型コンピュータ,への採用などを検討するという。

 東西NTTやNTTコミュニケーションズなどNTTグループは,2002年から現在の電話交換機の高度化を凍結している。現在は交換機の壊れたモジュールを補修するモードに入っている。今後,NTTグループにとって電話網のIP化が大きな課題となっている。OSDLへの参画によって,Linuxを採用したIP化も一つの選択肢としていることが明らかとなった。

 Linuxはソース・コードが公開されている無償のOS。開発者が自由にコードを改変し,自社の製品やシステムに取り込んで活用できる。基本的には,OSのライセンス料を考慮する必要がない。OSDLは2000年の設立。米IBM,米インテル,米シスコ・システムズ,富士通,日立などが参加している。Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏も所属する。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)