NTTコミュニケーションズ(NTTコム)がVoIP(voice over IP)携帯電話サービスに参入することが明らかになった。早ければ5月にもサービスを開始する。

 既に一部のメーカーに端末仕様を開示している。呼制御プロトコルにはSIP(session initiation protocol)を採用した。企業の内線電話をアウトソーシングするIPセントレックス・サービス「.Phone IP Centrex」で利用できる。ユーザーは拠点内に設置した無線LANのアクセス・ポイントや街中の公衆無線LANサービスを経由して,内線番号を使った通話や外線の発着信が可能になる。端末はNTTコムのブランドで出荷する。

 また夏ごろには,NTTドコモが第3世代携帯電話サービス「FOMA」で無線LAN機能を搭載した端末を出荷する予定。これに合わせて,同端末に対応したサービスも2004年下半期に開始する。ユーザーは,自社の拠点内や公衆無線LANサービスの提供エリアでは無線LANのアクセス・ポイント経由で内線/外線を発着信できる。社外では,FOMAの電話サービスを使って通話できる。

 .Phone IP Centrexのユーザー数は現在400社弱,同サービスで管理している電話番号の数は8万個弱と国内で最大規模のIPセントレックス・サービスと見られる。今回,NTTコムがVoIP携帯に参入する背景には,すでに広く普及している構内PHSと同等の使い勝手を,IPセントレックスでも実現したいというユーザーからの強い要望があったため。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション編集部)