スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー!)は1月22日,一部の報道内容を否定した。報道の内容は,「NTT東西地域会社とスカパー!が新会社を設立して,ブロードバンド放送に参入する」というもの。これに対しスカパー!は,「子会社設立やブロードバンド放送開始の検討はしていない。事実無根だ」と反発した。

 IPネットワークを使う放送サービスは,ソフトバンク・グループのBBケーブルがADSL(asymmetric digital subscriber line)で,KDDIが光ファイバを使って提供している。

 一方,スカパー!の子会社であるオプティキャストは1月中にも,NTT東日本の光ファイバ網を使う放送サービスを開始する計画。東京都中央区と港区の大規模な集合住宅に光ファイバを引き込んで,放送サービスを提供する。さらに今春には,放送向けに有線ブロードネットワークス(usen)子会社のユーズコミュニケーションズの光ファイバ網も採用する。ただしこのサービスでは,映像をIP化せずにそのまま光ファイバに乗せて配信する計画である。

 スカパー!は,「IP放送では,番組提供者側との権利処理が難しい。だからこそオプティキャストは,ADSL(asymmetric digital subscriber line)を使うIP放送は視野に入れていない」と説明する。「IPマルチキャストやIPv6など放送向けで使える新技術については,当然検討しているし,実験などを実施する可能性はある。もっとも,サービスとして提供するかは全く分からない状態だ」(スカパー!)。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)