NTTドコモ・グループ9社は2月2日から,iモードのトップ画面「iMenu」の表示項目として「iモードマイボックス」を追加する。同じiMenu画面に表示される「メニューリスト」とは異なり,ユーザーが個別に利用契約を結んだコンテンツ・プロバイダのWebサイト一覧だけが表示される。コンテンツ・プロバイダはあらかじめドコモと契約を結び,月額1万~150万円の利用料を支払う必要がある。

 iモードマイボックスは,“公式サイト”を集めたメニューリストと同様に,iMenu上に表示されるため,ユーザーは余分な操作をせずにアクセスできる。ユーザーがURLをボタン操作で入力したり,iMenu内の「マイメニュー」項目に事前に登録しておかなければアクセスできない“一般サイト(勝手サイト)”とは違う。

 ドコモが自らコンテンツ内容を審査してテーマごとに分類する“公式サイト”とは異なり,iモードマイボックス向けのコンテンツは審査されない。つまり,コンテンツ・プロバイダから見ると,公式サイトよりも自由な内容のコンテンツを掲載できるメリットがある。例えばコミュニケーションを促すサイトなど,ドコモが公式サイトとして採用しない分野のコンテンツが多数登場する可能性がある。

 また,iモードマイボックス向けのWebサイトは,コンテンツ・プロバイダと利用契約を結んでいないユーザーの画面にはまったく表示されない。逆に言えば,利用契約を結んだユーザーだけがアクセスできる会員制サイトに向く。

 このように,iモードマイボックスに含まれるサイトは,いわば“準公式サイト”のような位置づけになる。

 ドコモは,この新サービスを各種の会員向けサービスや企業のイントラネット接続などに活用してほしい考え。例えば,レンタルビデオショップの店頭や一般サイトで会員登録をしたら,ユーザーのiモードマイボックスに同店のサイトが自動表示。このサイトを通じて,新着ビデオ情報やクーポンを提供するといった活用法が考えられる。

 またドコモは,実店舗での支払いを可能にする赤外線通信機能や,今夏から順次発売する非接触ICカード「FeliCa」を内蔵した携帯電話機とiモードマイボックスとの連携サービスの登場を期待する。

 iモードマイボックスは2003年6月2日から,機能を限定して試験的に提供されてきている。試験サービスではカラオケ会社やクレジットカード会社,アルバイト仲介会社,チケット販売会社など25社が,iモードマイボックス向けコンテンツを提供中である。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)