NTTドコモは1月19日,企業向けリモート・アクセス・サービス「ビジネスmoperaアクセス プロ」を1月26日から全国一斉に始めると発表した。ドコモのネットワークと企業LANをアクセス回線1本で接続するだけで,携帯電話やPHS,無線LANなどドコモが提供する多様な移動通信サービスからリモート・アクセスができる。従来は,移動通信サービスの種類ごとに個別の回線が必要だった。

 ビジネスmoperaアクセス プロは,ノート・パソコンやPDA(携帯情報端末)とドコモの各種移動通信サービスを組み合わせ,企業LANへのリモート・アクセスを実現するサービス。インターネットとは別の閉域網を使う上,電話番号にIDとパスワードを組み合わせて認証するため,セキュリティ強度が高い。

 利用できる移動通信サービスは6通り。(1)第3世代携帯電話「FOMA」の最大384kビット/秒のパケット通信,(2)FOMAの最大64kビット/秒のデータ通信,(3)現行携帯電話「mova」の最大9.6kデータ通信,(4)現行携帯電話システムを活用した最大28.8kのパケット通信「DoPa」,(5)PHSの32kまたは64kのデータ通信,(6)衛星携帯電話「ワイドスター」の64kパケット通信--である。

 また,ドコモのネットワークと企業LANを結ぶ回線は,専用線,ATM専用線,イーサネット専用線,インターネットVPNなどを選択できる。インターネットVPNを選ぶ場合,IPsecでトンネリングさせるので,ドコモが提供中の無線LANアクセス・サービス「Mzone」と組み合わせても安全に利用できる。

 ビジネスmoperaアクセス プロの利用料は,初期費用と月額基本料のほかに,認証処理を代行するアクセス装置の月額使用料,各種アクセス回線を収容する接続装置の月額使用料がかかる。また,各種移動通信サービスの通信料やアクセス回線の月額利用料が別途必要。

 具体的な金額は,初期費用のうち契約事務手数料が2000円,工事費が9万5000円,月額基本料は1万5000円になる。また,アクセス装置使用料は1ユーザー当たり数百円程度,接続装置使用料は1回線当たり数万円かかる。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)